和歌山市立有吉佐和子記念館
有吉佐和子記念館は、和歌山市出身の作家 有吉佐和子(1931~1984)が旺盛な創作活動を行い、ベストセラーのすべてを執筆した東京都杉並区の邸宅を、氏の心の中に流れる青く美しい紀の川のそばに移し、その生涯と馥郁たる内面世界にふれることができるよう復元した施設です。当館は、氏ゆかりの資料を展示するなど、郷土が生んだ有吉佐和子氏の業績を顕彰するとともに、市民の文化振興に資することを目的としています。
有吉佐和子記念館の整備にあたり、塚本治雄様の篤志により文化の振興を図り、本市を愛する心を育むことを目的とした事業として「和歌山市塚本治雄基金」を活用させていただきました。令和4年6月 和歌山市
母娘の思い出
幼かった娘の玉青が、母の「ラブピースを貼って」のリクエストにより、使わない鍵穴を隠すために、当時流行っていたスマイルのシールを貼りました。
そのスマイルシールは今もなお当館のどこかに潜んで、来館者を笑顔にしてくれています。ぜひ探してみてください。
お知らせ
館内イベント情報
更新2024年10月29日
文化芸術教室
更新2024年10月29日
館内案内
1F
【1階】展示室
この部屋は、洋間の応接室で、有吉佐和子が新たな作品を創るための出版社との打ち合わせや、記者の取材を受けるときなどに使われていました。
展示室では、紀州を舞台にした 『紀ノ川』、作品にちなみ庭でも育てていた 『芝桜』 ・ 『木瓜の花』 など、有吉佐和子の名作に関する貴重な資料や、アメリカ ・ 中国 ・ ニューギニアなどしばしば海外に飛び出した有吉佐和子が各地で集めてきた資料などを展示しています
庭
蹲や水鉢などが配置された和風の庭となっています。
庭にはつつじをはじめ様々な草花が植えられていて、春に花を咲かせる芝桜や木瓜は、それぞれ 『芝桜』 (1970 年) ・ 『木瓜の花』 (1973 年)小説のタイトルになっています。
両作品は花街 ・ 花柳界で生きる正子と蔦代というふたりの女性を主人公に、前者は若い頃、後者は老境の頃が描かれています。
このように、庭はベストセラー作家 ・ 有吉佐和子の活動の源となっていました。
2F
【2階】書斎
この八畳の和室は執筆用の机とベッドが置かれ、仕事場兼寝室として使われていました。
邸宅が建てられた1961年以降に書かれた『華岡青洲の妻』 や 『恍惚の人』 ・ 『複合汚染』 ・ 『和宮様御留』などの多くの作品は、この部屋で生まれました。
実際に使用した机 ・ 椅子などを展示し、仕事場を再現しています。
【2階】茶室
有吉佐和子は藪内流の茶道を学んだ茶人でもあり、茶名を「青庵」といいました。多忙を極めた執筆活動の合間を縫って自宅でしばしば茶会を催した風流人で、畳には炉が切られ、茶事の準備をするための水屋も設けられています。
また、三味線や鼓なども嗜んでいました。